”天才タマゴ”エスティマ、10年目のマイナーチェンジ
トヨタ自動車のタマゴ型ミニバン『エスティマ』。
現行モデルは2006年に登場しているが、
10年目のビッグマイナーである。細かい小改良は
数年ごとに行ってきたエスティマであるが、
10年といえばフルモデルチェンジしてもおかしくない
時期ではある。現にこのエスティマと
基本コンポーネンツを共有する高級ミニバン、
アルファード・ヴェルファイアは昨年フルモデルチェンジを
行っているので、逆に新アル・ヴェルのニューシャシーを
用いて、新エスティマと造るコトは実際には即可能、
なのである。
※画像www.corolla-yamaguchi.comより引用
ではなぜ、今回敢てマイナーチェンジにとどめてきたのか?
現モデルで3代目となる先述のアル・ヴェルは、
モデルチェンジのたびに高級化し
(”エグゼクティブラウンジ”などのグレード設定なんて、
まぁ驚きだったね)、顧客のターゲットもエスティマとは
明らかに異なって来たのも事実。天才タマゴ乗りのニーズを
読み取るならば、「箱型の、デカいミニバンではなく
乗用車感覚で使える手ごろなサイズが良い。」
っていうトコロかな…。
今思えば1990年、天才タマゴの
キャッチフレーズで登場した初代モデルは、
※画像voice-mediajapan.comより引用
タマゴ型の未来的フォルムに加え、エンジンを
車体中央に配置したミッドシップレイアウトが生み出す、
ミニバンであるコトを忘れさせるような、バランスの良い
秀逸な操縦性が魅力の一つだった。コレも天才タマゴと
謳う所以であろうかと思った。だがこの図体のデカい
ミニバンにミッドシップレイアウトは整備性が
非常に悪かった…。オイルと、エレメント交換など、
床下にエンジンがあるため大変。一般ユーザーは
手を付けかねる。エンジンを冷やすラジエターは、
風の当たるフロントに配置せねばならないから、当然、
車体中央床下にあるエンジンまでフロア下に配管が通り
そこを熱いお湯が行ったり来たりするワケである。
想像しただけでもイヤだね、夏は特に(笑)!。
エンジニアリング的にはとても理想的なクルマ、
ではあったが、そういった問題からか、残念ながら、
次期モデルは早々にFF化された。FFっていうのは
(フロントエンジン・フロントドライブ)の略で、
前にエンジンを置き、前輪でクルマを引っ張っていく
方式のコト。で、FF化するメリットはというと、
FF車はクルマの主要部品、エンジン、トランスミッション、
ディファレンシャル、その他のパーツが前に
集中しているので生産性が良い~クルマが
作りやすいってコトだね。初代天才タマゴを造った
エンジニアの情熱やロマンも、生産性や効率化の前に
敗れ去ってしまった…という悲劇である。悲しみに暮れる
エンジニアの方に慰めの言葉を掛けてあげる、
とすれば、「FF化によるメリットもありますよ、
エンジンを大排気量化出来るし、床下にエンジンが
なければキャビンの低床化が可能になって、
高齢者の方にも乗り降りがやさしいクルマに
出来ますよ…。」ってね。
次回につづく…。
※関連記事:”天才タマゴ”エスティマ、10年目のマイナーチェンジ その2
http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-07-11
”天才タマゴ”エスティマ、10年目のマイナーチェンジ その3
http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-07-12
”天才タマゴ”エスティマ、10年目のマイナーチェンジ その4
http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-07-13
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