なぜ「失敗作」なのか?R33・GT-R
ドイツ西部に広がる深い森の中、ラテン語で「黒い城」を意味する古城、
”ニュルブルク城”。この城を囲むように走る、全長20.832㎞のサーキットが
「ニュルブルクリンク北コース」である。
山間の地形を活かしたアップダウンに170以上にもおよぶコーナーと、
雨や霧などの天候要素も加わり、
世界で最も難易度の高いサーキットといわれている。
ココは「スポーツカー開発の聖地」と呼ばれ、ココで計測されるラップタイムは、
ニューモデルの性能を示す指標とされている。幾多のスポーツカーが、
過酷な各種走行テストを行った後、旅立ってゆく…。
今から20年ほど前のコト。この北コースで7分59秒で駆け抜けたクルマ、
「マイナス21秒のロマン」というエモーショナルなキャッチフレーズで登場したR-33・GT-R。
で何が、「マイナス21秒」なのかだけど、このクルマ、「伝説」と呼ばれ先代以来16年ぶりに
復活した、R32GT-Rの同コースでのタイムを21秒も短縮した。というのが
先述のキャッチフレーズのルーツとなっている。
画像https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E...より引用
だけど、なぜこのクルマが「失敗作」なのか?という議論の前に申し上げて置きたい。
当たり前のハナシだけど、「マイナス21秒」を成し遂げたクルマのスペックが、
先代R32に劣っているワケがない。ココで簡単に、R33・GT-Rのスペックをおさらいしておこう。
先代R32に引き続き2.6LツインターボのRB26DETTを搭載しているが、
ECU(エンジンをコントロールするコンピュータ)の16ビット化と、
若干の過給圧のアップにより最大トルクが1.5kgf-m増加している。
排気バルブシステム内部にソジウムを封入し熱伝導と冷却効率を向上させるなんて、
あまり知られていないレアな(笑)チューニングもされている。
で、肝心の「失敗作」の件だけども、
R32との最大の違いはボディサイズの拡大である。
R32より全長で130mm、全幅で25mm、ホイールベースで105mmの拡大。
要するにサイズが一回りデカくなって、コレが今にしてみれば
取り回しのしやすいサイズのR32から乗り換えたユーザーが、
強烈な違和感を覚えたってコト。ハッキリ言ってR33の開発陣が、
ボディサイズの拡大を望んでいたとは考えにくい…。
R32の性能を更に磨き上げていくためには必要な要素ではないからである。
おそらく同時期に、好調な販売を続けているトヨタのマークⅡを横目で見ていた
営業サイドの横槍であろうが、R32のリアシートが狭いとかケチをつけた。
マークⅡはR33とは進道が違うから、ライバル車ではない。
それをいうなら日産にはローレルとセフィーロがあるでしょ~が!
次回に続く。
関連記事:なぜ「失敗作」なのか?R33・GT-R その2
http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-05-03-1
なぜ「失敗作」なのか?R33・GT-R その3
http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-05-03-2
なぜ「失敗作」なのか?R33・GT-R その4
http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-05-03-3
なぜ「失敗作」なのか?R33・GT-R おまけ
http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04
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