SSブログ

天国にいった、かあちゃん…

お化粧をして、納棺された妻の顔は、

ホントにいまにも目を覚まして起き出しそうな

カンジだったのである。多分私が

「コレは悪い夢を見ているのだ、早く目を

覚まさなければ」と、妻がこの世を去ったという

目の前の現実を認めたくなくて、抵抗していたから

かもしれない。早朝の仕事は勤務先のスタッフ、

直属の上司がフォローしてくれた。いくら忌引き休

とはいえ、業務に支障をきたすのは如何なものかと

思い、早朝業務だけでも出るからと、社長に伝えるが、

それはしなくて良いと、止められたので、お言葉に

甘えるコトにした。



【全国対応】ちょうどいいお葬式プランを
24時間ご提案「葬儀コンシェル」



葬儀の日、午前中に葬儀社の

スタッフが到着し、打ち合わせを開始。遺影の写真も

出来上がってきたんだけど、コレについては妻は

私との結婚後、彼女との想い出写真を撮ろうと

何度もカメラを向けるものの、反対向いたり、

あさっての方を向いたりして、マトモな写真がほとんど

ないのである。かといって妻、私との結婚前の

アルバムは、高校生、大学生時代のものだから、

現在のルックスとは違いすぎる…。そんなことを

思っていたら、葬儀に参列してくれた妻の大学時代の

お友達。お葬式が終わった後、私にいい写真が

あったからと提供してくれたのだ。その写真を

受け取った後、いよいよ出棺となるのだが、その時の

親戚一同の泣きくれた様と言ったら、まぁスゴイもの

だった。だけど、それだけ妻のことを思ってくれて

いたのだねって思ったらあたくしも思わず

もらい泣きしてしまった。いよいよ出棺。

霊柩車のクラクションが高らかに鳴る。


♪ショパン/「幻想即興曲」 羽田健太郎


弔電なら電報サービス【VERY CARD】


出棺の後、
火葬場に到着。みんなの

見送る中、人の姿をした妻が火葬の炉に入っていった。

お菓子やお飲み物を頂きながら待つコト2時間弱、

収骨できるとのアナウンスがあった。みんなで

骨と化した妻の遺骨を収骨するのだが、我が家の

末っ子、「イヤ、骨怖い…。」なんて言ってたけど、

義兄が「誰でも最後はこうなるんだから、

ちゃんと見いてなさい…。」といってお箸を持たせて

収骨をさせた。7歳の末っ子にとっては、実に

過酷な体験である。骨壺に収まり小さくなった母親

と共に、一同は斎場に戻った。その後葬儀場が

用意してくれた花束を持ち帰り解散…。帰りしなに

調達したコンビニ弁当を食べながら、在りし日の妻の

想い出が去来する。長い1日だったが、さすがに家族の

みんなが疲れを隠せない様子。いろんなコトは明日に

しようとみんな床に就く…。ふと気付くと、いつもは

長男や次男と一緒に寝ていて、私の所にはめったに

来ない末っ子が、私の布団に潜り込んできた。

「末っ子ちゃん、どげんしたとの?」と訊くと、

「かあちゃんが天国に

行っちゃった…寂しい。」 

godbeams-tintagel-01.jpg 
※画像nomadphotographs.photoshelter.comより引用


この日(葬儀の終わった夜)

7歳の、わが家の末っ子の、

涙ながらの言葉は、あたくしの止まりかけた涙を

またもや呼び戻した。お通夜の時、半年分の

涙を流した…。なんて思ってたのだが、件の末っ子の

言葉でまたもや私の目から滂沱と流れる涙。

必死で涙を抑えながら今日友人さんからもらった

妻の写真を渡し、「コレ持ってから寝らんの!」

言って寝かせた。親友さんとの鹿児島の

指宿温泉旅行の写真、そこには

楽しそうな妻の笑顔が映っていた…。


※関連記事:心の準備

http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-09-14

心の準備 その2

http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-09-14-1

心の準備 その3

http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-09-17

心の準備 その4

http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-09-18


nice!(37)  コメント(5)  トラックバック(3) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 37

コメント 5

未来

私が一番恐れていることを体験されて、
お悔やみの言葉さえ浮かんで来ません。
こんな偶然があるでしょうか、今私が書いている小説の場面は、
家内が亡くなったら自分はどうなるのだろうと考え、老人鬱になるところを
書いている所でした。
心よりお悔やみ申し上げます。
by 未来 (2016-09-22 22:24) 

きーちゃん2

未来さん、こんばんわ。ご訪問、niceとお悔やみのお言葉ありがとうございます。つい2年前まで(ガンの発覚時)までは、妻がこの世を去るなどとは考えてもみませんでした。8月下旬に入院した際は、主治医の先生に「この病院で看取るコトになるでしょう…。」と言われたにもかかわらずそれを踏まえた行動をとるコトが出来なかったんですね…。ウチの母親は、早々に葬儀社に連絡していたんですけど。
by きーちゃん2 (2016-09-23 21:36) 

ぽんちゃん

寂しいですよね。。
「いつかは来る」事と思いつつ、妻がいなくなることを恐怖に感じております。お子さんもまだ小さいのに、本当につらいですね。
これから大変でしょうが、子ども達の為にも頑張ってください。
by ぽんちゃん (2016-09-24 01:44) 

staka

ご愁傷さまでした。合掌
誰でもいつかは、と思っていてもさぞかし辛いことだったでしょう。
by staka (2016-09-24 20:30) 

きーちゃん2

ぼんちゃんさん、こんばんわ。ご訪問、nice&コメありがとうございます。妻が旅立って今日で一週間。日ごとに現実を実感しています。「かあちゃんが天国に行っちゃった…。」小学一年生の末っ子の言葉を思い出すたび切なくなります。

stakaさん、こんばんわ。覚悟はしていたものの、実際に妻の死に直面すると、悲しみがボディーブローかサソリの毒みたいに日ごとに効いてきます。コメント頂いた方々も辛い中、乗り越えてこられたのだと思うと励みになります。
by きーちゃん2 (2016-09-24 21:06) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 3

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。