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妻の回想~その2~「あの頃に帰りたい…。」

2年前…。たった2年前まで、妻は元気でフツーに

働いていたのである…。一昨年の夏休みが終わる頃、

コトの始まりは、トイレに行ってもやたらと時間が掛かるから、

おかしいな…。という思いは本人にもあったのだけど、

勤務先の上司から、病院で検査を薦められて受診したが、

そこで妻の「直腸がん」が発覚する。その時から

我が家の生活環境は激変した…。私が言うのもなんだけど、

妻は母からもらった健康で丈夫な身体を自慢していた。

その彼女がまさか…。と私もその現実をどうにも

受け入れられなかったのである。

私は勤務先の業務の時間中、

彼女からの件の直腸がんの診断結果の報せを受けた。

そのときの心境はまさに、「なにが起こったのか分からない。」

っていうカンジだったのだから…。数分間のコトだったと思ったの

だけど、固まって動けなかった。その後、入院、手術を経て、

直腸がん原発巣の摘出を終えたのだけど、他の部位(肝臓)に

転移が見られて再度の手術を受けるコトとなる。以来、

今年の初め位まで抗がん剤による治療を行っていた。しかし、

打つたびに本人の体調が著しく悪化するため、私が、

「(抗がん剤は)しばらく休んだら?」と薦めた。義父はその間

「抗がん剤を打たないなら、フコイダンを飲みなさい。」と薦めるも、

効用を彼女が信じなくて、飲用をしないので、中途半端で止めてしまい、

「なら、ホントに知らんぞ…。」というコトになる。

実のトコロ、彼女にはヘルニアの気もあり、

がんに関しても、遺伝的な要素もある様子らしい…。

 

今日、妻が5日間の放射線治療を終えた。この後しばらくは

放射線の効果が続くという事らしい。体の痛みの

原因であるが、がんの転移巣が脊椎にあり、それが

神経を圧迫しているため、背中や腕なんかが痛くなる

ようなのである。お薬を何度も処方しなおしてもらっても、

一向に痛みが治まらない。終いには医師をつかまえて

「笹」だの竹」だのと言っている…。それをいうなら

 「ヤブ」でしょうが(笑)!

緩和ケアの先生に、

涙ながらにぽつりぽつりと話す妻の姿が痛々しい…。

「あの頃に、帰りたい…。」という妻のひと言が私の心を刺す。

「あの頃っていつのコト?」って訊くと、私がお店をやっていて、

また自分も健康だった頃にである…。もう、どうやっても、

戻るコトなど出来ないのであるが…。

その気持ちは痛いほど分かる。そりゃそうである。

誰も望んでがんになどなるワケではないのだからね…。

普段はノーテンキな私も、このときばかりはネガティブ思考、

自己否定の念にどっぷりと浸かってしまっていた…。

※関連記事

妻の回想。「子育ては楽しかった…。」

http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-05-11

妻の回想~その3~「あの頃に帰りたい…。」

http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-05-20

妻の回想~その4~「あの頃に戻りたい…。」

http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22

次回に続く。 

 

 
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コメント 4

いっぷく

大変ですね
フコイダンは私の母も飲んでいました。
でも高いですよね。
肝臓や肺への転移は、ハイパーサーミアで
対応する方もいらっしゃるようです。
by いっぷく (2016-05-20 01:23) 

せつこ

胸が痛くなるお話ですね、病気と闘っている姿を見るのは家族は居たたまれません。
by せつこ (2016-05-20 20:01) 

きーちゃん2

いっぷく さん。ご訪問&コメありがとうございます。お心遣い感謝致します。
by きーちゃん2 (2016-05-21 05:41) 

きーちゃん2

せつこ さん。ご訪問&コメありがとうございます。お心遣い感謝致します。病ばかりは、誤魔化しもできず、付き合っていかなくてはなりませんが、とても励みになりました。
by きーちゃん2 (2016-05-21 20:46) 

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