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幼き日の追憶~夕焼けこやけ~

回り道してて

令和元年のGWが終わった翌日、熊本から福岡に移動する道中のコト、

時間に余裕があったので、今後のためと思い渋滞回避のルートを模索

するために、主要幹線から外れた道を試しに通ってみる。

距離的には少し遠回りになるものの、信号は少ないし走りやすい。

カーナビは案内しない道だから、覚えておかなくっちゃね。な~んて

コト思っているとカーナビから

「そろそろ2時間です、休憩しませんか?」

と美人の声が。まぁリアルで雰囲気のある美人がパッセンジャーシート

からこの声で「休憩しませんか?」なんて囁かれたりしたら、別の意味で

「ドキ~ン[黒ハート]!!」

となってしまいそうだ。だが冗談はさておき、そろそろ疲れてきた。



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クルマを止めて仮眠しようと思いのどかな風景の見える田舎の県道で広い

道路わきのスペースに停車した。シートのリクライニングを倒して仮眠

するコト20分ほど。「よし、元気も回復した。もうひと踏ん張りだ。」

クルマを降りてストレッチ。時間を確認すると 夕方の17時、その時

どっかの会社の終業のサイレンだろうか、昔懐かしい「夕焼けこやけ」

のメロディーが流れてきた。 思わず歌詞を思い浮かべていたあたくし。


♪夕焼けこやけで日が暮れて 山のお寺の鐘が鳴る

お手手つないでみな帰ろ からすといっしょに帰りましょ

子供が帰った後からは まあるい大きなお月さま

小鳥が夢をみる頃は 空にはきらきら金の星




何故だか涙が出た。

それは幼い日の夕方、お日さまがが西に傾く黄昏時、真っ赤な夕焼けの

光が周りの風景をセピア色に染めていた頃。祖母から頼まれた晩御飯

のおかずの材料を、2つ上の姉に連れられて馴染みの八百屋さんへ

お使いに行った帰り道、近道しようと畑の真ん中の道を通っていると、

あたくしの手を引いていたはずの姉の姿が消えた。

「おねぇちゃん、どこ?おねぇちゃ~ん!」と呼びながら辺りを捜し

まわるが姉の姿は見当たらない。次第に辺りは暗くなっていき、

吹き抜ける風は木々の葉や足元の草をざわざわと揺らして、

取り残されたあたくしの不安を煽っているかのようだった。

半泣きになりながら祖母を呼びに行こうと家に向かっていると、

姉と祖母はこちらにやってきた。姉は偶然会ったお友達と話し込んで

あたくしの存在を忘れ、遅いから心配した祖母が姉と合流しあたくしを

迎えに来た。祖母は「ブラック魔王」のケンケンのように笑いながら、

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「おねぇちゃんが誘拐されたかち思たとの?ほんに泣けべす

(泣き虫のコト)じゃけんね~アンタは。」
と言って祖母は姉とともに

あたくしを家に連れ帰ってくれた。夕焼け小焼けのあの日、畑の真ん中に

ひとり取り残されたあの日の寂しさと不安に襲われた幼き日の記憶が

50年の歳月を経てあたくしの脳裏に再生された。なんだか恥ずかしくも

懐かしい思いだった。


もしもコレが夕焼け小焼けの「赤とんぼ」のオルゴールバージョンだった

なら「今日はゴミ捨ての日か?」って風情も何もブッ飛んでいたところ

だろうけどね。



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