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追突事故の洗礼~前篇~

遂にやられてしまった

その日は夕方に大分空港まで行き店舗のクルマを預かり長崎空港へ届ける

比較的長距離の移動。

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「別府から大村までは7時間はかかるな…。夜通し運転だし、自宅に

寄ろうか寄るまいか。」な~んてコトをルンルン気分で信号待ちをして

いたあたくしはその数秒後に奈落の底に叩き落された。



「ガッシャ~ン!!」

という大音響とともに背後から衝撃を受けて、あたくしの乗ったクルマは

5~6m前方に弾き飛ばされ交差点のど真ん中に。あたくしはしばらく

フリーズしていた。ココで再起動したあたくし、追突されてたことに

反応し腰や後頭部の痛みとともに、猛烈な怒りがこみあげてきて、

とりあえずクルマを道路わきに移動させ、追突してきたドライバーに

文句を言ってやろうとつかつかとそのクルマに歩み寄る。

が、その前クルマのドアが開いてエアバッグ全開の煙と火薬のにおいを

漂わせつつ、よろめきながらドライバーが歩いてきた。

あたくしに追突をブチかましたドライバーは、20代そこそこのお嬢。

「お母さん、アタシ。ゴメン事故った。」と、自宅にデンワをしていた。

「なんちゅうこつばしてくれたつの!」と怒り心頭のあたくしのところ

に来て、腕にケガして鼻血を出しながら

「大丈夫ですか?ゴメンなさい!ゴメンなさい…。」と、道路に這い

つくばって謝り続けて、通りすがりのクルマから降りてきてくれた

看護師さんらしき女性に介抱されていた。

その姿を見て・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

甘い男だと笑われるかもしれないけど、何も言えなくなったのだ。

そりゃぁ憎き加害者とは言えケガをしてる華奢なお嬢の痛々しい姿に

あたくし的には心が痛んだのだ。「あ”、貴女は大丈夫なんですか?」

と怒りを抑えつつも、絞り出すようにやっと言った。

事故の被害者の立場であるとはいえ怒りに任せて人命や安全を第一に

考慮するコトを忘れてしまったら、交通社会は地獄になってしまうから。

「広い交差点なんだし、他にクルマはいなかったし、いまのクルマは

すべて蛭子さん(ABS=アンチロックブレーキシステム)が付いて

いるから、ブレーキ掛けながらハンドルで避けるコトも出来るだろ!

なんで一直線にぶつかってくる?」とかツッコミどころ満載なんだけど、

ぶつかった事実は変えようがない。



あたくしは衝突のショックで朦朧とした状態で勤務先の事務所にデンワ

して事故の状況説明。事故現場を目撃し停まってくれた何台かの

クルマのドライバーの誰かが警察&救急車を呼んでくれてて警察への

双方への事情聴取…。

が、相手のお嬢はパニック&負傷で会話もままならない状態。救急車が

到着し、あたくしの様子を見に来た救急隊員曰く、時間差でもう一台

来るそうでダメージの酷いお嬢を先に搬送してあげてと依頼。

「お嬢の父親です。」と登場した男性から「娘が大変ご迷惑をおかけし

申し訳ありませんでした。」
との謝罪があった。警察とのやり取りも

一応終了した時点で2台目の救急車が到着。あたくしは自力歩行できる

ので自分で救急車に乗った。


次回に続く…。



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