久留米のソウルフード「キムラヤ」、91年の歴史に幕
「キムラヤの終(しま)えたげなね。」
「え”~!終えたちゃぁ、どげんしたとの?」年配のアルバイトさんと
あたくしが、ある朝交わした会話である。
パン・お菓子作りの材料・器具専門店【TOMIZ(富澤商店)】
「昔からあるパン屋さん」、「いつ行っても変わらないパン屋さん」、
「懐かしい味」、「故郷を思い出す味」。ココの看板商品、
「久留米ホットドッグ」と「まるあじ」は、いったいど~なるのだ!?
信じられない思いで、キムラヤのwebページを開く…。
そこには2017年1月末で全店舗を閉鎖し、事業を修了するとの旨が
書かれていた…。原材料の高騰、コンビニなどの競合に経営を圧迫
された結果、「経営環境の変化は大変に厳しく、経営体力を勘案した。」
結果の決断だったという。工場は同業のフランソア(福岡県新宮町)が
事業譲渡を受け、同社久留米工場として稼働させるとのコト。同社は
残された従業員について「最優先で雇用したい」ってコトで、看板商品
の一部は製造を続ける方向で検討するというコトである。ちなみに
キムラヤは以前にも幾度かの倒産の危機に見舞われていているけど、
「切り抜けてきたのは、工場、店舗に併設されている宝くじ売り場。
無論キムラヤが管理運営してるんだけど、その宝くじの売れ残りが
当たったため、その資金で倒産を免れた…という逸話がある。」
まぁウソかホントか分からないんだけど、社長と懇意にしてる人が
社長から直に訊いたってハナシだからあながちウソでもないかも
知れないよ(笑)。だけど、今回ばかりはその神通力も効かなかった…。
ってコトなのかなぁ…。
※画像blogs.yahoo.co.jpより引用
※画像・まるあじ博多おんな節。より引用
私も思うにキムラヤの「ホットドッグ」やメロンパンの「まるあじ」は
久留米市民の「ソウルフード」と言えるもの。
有名ラーメン店の味をそのままご自宅にお取り寄せ
幼いころから会社帰りの両親が買って来てくれて、
当時小学校に上がるか上がらないかの時分の私には、
コショウの効いたコールスローが、ピリッとスパイシーな
「大人の味」みたいに感じたものだったね。パッケージなんか
昔っからず~っと変わらないし見ているだけで当時のノスタルジーを
感じさせてくれる。まぁ全国区で言えば決して知名度高いとは
いえないんだけど、久留米市出身の女優、吉田羊さんが民放の番組で
紹介したり、「秘密のケンミンSHOW」でも紹介されたりしたので、
かなり広まったのではないかなとは思うんだけどね。ご存じない方に
ご紹介しておくと、キムラヤのホットドッグ、コッペパンに挟まって
いるのはウインナーソーセージとケチャップ&マスタード、ではなく
ハムとコールスロー。コレだけ!あたくしの地元久留米市では、コレを
「ホットドッグ」と呼ぶのである(笑)。で、ハムとコールスローで、
何で「ホットドッグ」なのか?という疑問に行き当たるんだけど、
当時の既存の材料で何か目新しいものを作らなければと暗中模索
していた創業社長曰く、イメージとしては、赤いハムが暑い時に
イヌが「ヘッヘッヘッ…。」と、ベロをだしているカンジ。それに少し
ぴリっと刺激的なコショウを効かせたコールスロー。
このコンビネーションがまさに絶妙だったのだ。コッペパンとの
相性も良く、もともと豪華でもない具の構成なので、具の味だけが
ミョーに出しゃばりすぎるコトもないし、おやつに、夜食に
何でも来いってカンジだったね~。事業売却先のフランソアが
この2大看板商品を作り続けてくれればイイんだけどね…。
※シュゼット公式オンラインショップ