豚しゃぶ堪能と母親の匂い
(キノコもね)と材料もそろえて 次男は義父にスープ作りのレクチャー
を受けて、っていうか「トライ&エラーでやってみなさい。」と言われ、
どうにか自分の納得のいく味が決まった。
そこからはまぁ、子供たちは
怒涛の勢いで食べまくる。白菜やキノコも追加したし、ゴハンは3合、
しゃぶしゃぶ用のお肉は1.5㎏ほどあったんだけど、ほぼ8割がた
食べつくし「残りは翌朝食べる。」といい、ゴハンは空っぽに
なってた(あたくしゴハンは食べていない)。久しぶりのナベもの
だったし、たくさん食べてみんないい笑顔になってたよ。お腹が
満たされた子供たちはTVのある部屋で寝転んでTV観てたんだけど、
この日ナベの材料調達とともに、次男から頼まれていたアイロン&
アイロン台を自宅から持ってきてと頼まれてた。
クラスのお友達の中に
パリっとアイロンがけのされたシャツを着用してくる子がいる
らしく、自分もそんな風にしてみたいってコトらしい。
まぁ確かに見栄えもカッコイイしね。妻が存命していたならやって
くれてるだろう…。
あ”~失礼!正確にいえば、妻があたくしに
アイロンがけするよう指示する
のだった。
だけど一応道具だけあれば彼がやるなりあたくしが
手伝うなり出来るからね。そんなコト思っていたら、おもむろに
次男がアイロン台を自分のお腹の上に置いてみたり、おかしなコト
をするので、「何ばしよるとの?ソレ、テーブルじゃなかけん、
その上で飲み食いしたらでけんばい。」っていうと次男が
「こうしてると落ち着く。」な~んてコトを言う。
ソレはなぜかと訊ねたら、アイロン台に染み付いた糊の香りに
「母親の匂い」を感じたんじゃなかろうかと推察した。
しばらくしてTVを観に来た末っ子が、寝ていた次男の顔に置いてた
アイロン台を自分の顔に乗せて同じように寝ていた。
末っ子のその姿をみたあたくし、
「なんだかんだ言っても、やはり母親が必要だったんだな。」と、
思わざるを得なかった。
あたくしは冷蔵庫から缶ハイボール×2を取り出し、2階のお部屋に
ダダダと駆け上がり、泣きながら飲んだ、飲みながら泣いた。
表面上はね、母親のいない寂しさや不満を訴えては来ない子供たち
だけど、辛い思いをさせていたのはまぎれもない事実だった。
ただ今は、普段の明るく振る舞う子供たちにあたくしは
助けられていたんだなぁ。って思った一日だったよ。