外出許可 その3
今日は土曜日。先週末から土日に外出許可が病院から下り、お昼から夕方まで、家に帰れる
ようになった。まだ点滴のみで、ご飯は食べられない。体に必要な栄養素の供給が7時間ほど
絶たれることになる。本人には過酷な状況だが、家に戻りたいという彼女の気持ちを尊重したい。
なので、病院に迎えに来て連れ帰ることにする。車に乗せて自宅にもどる。
家に戻ると、子供たちがお昼ご飯を食べている。ご飯を食べられない彼女に
食べてるところを見せるのは酷なので、隣の部屋に移動する。
療養の身であるゆえ、布団を敷き休ませる。今日で手術後1ヶ月経過した。
しかし、術中に小腸を損傷したため、治るのに時間がかかっているのである。
現在水だけしか飲めない状態。その状況が心理的ダメージになっている。
「いくら待てども先へ進めない。」という現状が彼女をネガティブなマインドにしているよう。
私は「これだけ悪いことがあったから、次はいいことがあるよ。」と励ますが、
「悪いことしかない。」と、なかなか通じない。家にいて合間合間にこの記事を書いているが、
妻が「となりに居て。」と言うので筆(キー)が進まない。
病院にいると、時間の経つのが遅いのに、家だとあっという間だという。
ふと、時計を見ると、17時半近く、確かにその通りだ。
私が「何時に出る?」と、聞くと「嫌だ、嫌だ、病院行きたくない。」と言う。
そんなわけにはいかないことは重々承知の上なのだが、彼女の気持ちはそうなのだ。
17時50分、渋々妻は着替えを始めた。車に乗り病院に戻る。スタッフステーションに
戻ったことを告げ、病室で点滴をつけてもらう。明日は造影剤を入れて検査の予定。
明日の良い知らせを心から祈って、病院を後にした。