春の七草粥を食す
今朝目を覚ますと、妻が「暑い、暑い。」と言っている。
こちらは寒くってしょうがないのに熱でもあるのかと思っていたら、
やはり体温計で熱を測ると38.5度。今日は丁度病院の日だから
診てもらうようにしたらと言ったが、「動きたくない。」というので
時間を見計らって病院に電話し、キャンセルの旨を伝える。
「腹減った…。」と彼女が言うのでご飯も炊けていることだし、
七草粥を食べようかと言ってみる。最近薬の影響なのか、
妻の味覚は崩壊し、何を食べても美味しくないという。
食べる楽しみのない人生なんて、はっきり言って人生の楽しみの
3/4位を奪われたようなものである。可哀そうではあるが致し方ない。
「抗がん剤やめてみるの?ラクになるかん知らんばい」と話すと、すかさず
「早よ死ぬやんね(怒)川島なお美のごと…。」なんてこと言っている。
(そげな、抗がん剤ばやめたけんち言うてからそげん早よ
死ぬてんなんてん早計すぎるばい…。)
苦痛を感じるのは癌にではなく抗がん剤治療の方である。
今、彼女の心は
「苦しみに耐えていても希望がない、死んだがマシかん知らん。」
という思いと、
「末っ子の小学校に上がったら、サポートしてやらんといかん。」
という生きなければ…と言う思いが振り子のごとく揺れ動いている。
なんとか今の苦痛を軽減し、生きる希望を持ってもらいたい。
今日、1月7日は七草粥を食べる日である。
お粥だから、今の妻にはピッタリのメニューだと思って、
「落ち着いたら、七草粥ば食べに来んの。」と伝える。
材料の七草は…便利なもので、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、
ホトケノザ、スズナ、スズシロのすべてがセットになったのが
スーパーで販売しているので、
2,3日前買っておいたのを刻んで使用する。
本来であればお米から炊くのが本格的だが、すでにご飯は炊けてるし、
これで構わん。大根やカブのミニチュアみたいなのをスライスして
先にだし汁で煮る。その後ご飯を投入する。
味付けはホントは塩のみだが、
いつもの雑炊作るクセで、うすくち醤油入れてしまった(笑)。
ま、いいか…味薄めにしとこ。ご飯が柔らかくなったとこで
七草をいれてかきまぜて完成。というところで
「出来たば~い。食べに来んの~。」と妻とすえっこを呼ぶ。
お椀についで、2人に出す。妻、黙々と食べ始める。
末っ子は食べようとポーズを取ったが「くたい(臭い)。」といって食べず、
レトルトのミートボールなんかを温めて食べている。
こちらは興味の圏外である。妻の方はといえば、やはり「美味しなか…。」
といってる。
来週抗がん剤の予定になっているが、私も義父も
「やめておけ…。」という意見で一致している。
しばらくフコイダンの飲用だけにして、
ホントに少し休んだほうが良いと思うので。