妻の退院と将来を思うコト
昨日は、仕事の都合で、
妻の病院に行く時間が遅れてしまった。
面会時間の終了ギリギリに到着する。ベッドに横たわって
寝ていると思った妻であったが、私が近づくと起きていた。
私が声を掛けるのだが、気分が悪くて返事する気力もない
様子。先週の土曜日に、入院してかれこれ1週間に
なるけれど、身体の痛みや吐き気が一向に改善しない…。
っていうのに今日は病院から退院のハナシを
されたらしい…。私も一応ハナシを聞いたが
「痛みや吐き気とは、付き合っていかなくては
なりませんが、今病院で出来るコトはコレしか
ないですので…。」
私、「ちょっと、待たんの!いっちょん良う
なっとらんとに、なし退院せんとでけんとの!?」
という疑問が。やっぱしこの病院はホントに「笹」とか
「竹」の巣窟かぁ!?なんて思いが交錯するけど、
彼らの前で露骨にそんな態度をさらすワケにも
いかないではないか…。妻の思いと私の思い、
そして医療者の思い…。一つとして同じものはない。
そこで、妻の面会の帰りにスタッフステーションに
立ち寄り、リーダー看護師からハナシを訊いた。
うすうす感じてはいたが、妻の方も、医師や看護師の
勧めるお薬を飲まなかったり、どぉしてほしいかを
訊きたいのに、答えなかったりしているらしい…。
う~ん。夫として、妻のいうコトにウソはないと思いたいが、
ありえないコトではないなとも思った。以前に比べて、
段々と元気がなくなっていく妻。(カッとなると、キーキーと
やかましい声を張り上げていた彼女が、私が食べたいもの
を訊ねても、蚊の鳴くような声で呟くので、聴きとれなくて
何べんも聞き直してしまう羽目、になる。っていうか、
それ以前に自分の食べたいものが判らないように感じる。)
こちらとしては、
「あ”~面倒くさか…。早よ食べたかもんば言わんの」
っていうコトになってしまうのだが、そんなコトいって、
彼女にもしものコトがあったら、あたくしも悔やんでも
悔やみきれないので、今から彼女と、後悔のないような
付き合い方をしていかなければ…。と、思っている。
ココで皆さんに、是非ともご紹介したい詩がある。
ノーマ コーネット マレック(作)/佐川睦(訳)
題名は、”最後だとわかっていたなら”
私がこれを知ったのは、歯科医師、井上裕之氏が
自身の著書で紹介されてたからであった。
あまりにも素晴らしく、そして誰にでも起こりうる
最後の時、それがたとえ、明日であったとしても、
貴方が後悔しない人生を送れるようにとの願いを込めた
作者のメッセージが強烈に感じられ、思わず涙を誘う…。
(この詩以外で私が泣いたのは、
「さらば宇宙戦艦ヤマト~愛の戦士たち~」と、
「フランダースの犬」のラストシーンぐらいである。)
ご興味のある方は下記URLを記しています。
http://www.sanctuarybooks.jp/saigodato/poem.html
私は、愛する妻を失った後で、決して後悔はしたくない…。
「あの時、ああしていれば…こうしていれば…。」と
「その時」を迎えてから思うのは、
断じてゴメンなのである!