心の準備
今日は、珍しく早朝からじゃぁじゃぁ降りの雨。
夏休み期間中も、夕立ち的なゲリラ雨も少なく、
仕事もやりやすかったのだけれど、今日は
家から出たらいきなりの大雨。前日の私の
心情を表しているかのようなカンジ。何かって?
「涙雨」である…。8月下旬から入院している
妻のコトについて、先日義姉夫婦の同席のもと
主治医の先生のハナシを訊いた。妻の病状は以前、
腸の癒着を取るために手術をした箇所が、
狭まって閉塞していて食べ物が流れて行かず、
ご飯が食べられない…。かといって、閉塞を取り除く
開腹手術に耐えうる体力は、もはや彼女には
残っていない…。
しかし放置して置けば腹膜炎などを起こし、
容態が急変して亡くなってしまう可能性も否定
できない。どうしても苦しむ妻をラクにして
あげられる「Ultimate weapon」=「最終兵器」は、
薬により、深い、深~い、眠りに就く方法、これで
本人の苦しみは終わらせるコトが出来るけれども、
このお薬を使用すれば、もう二度と、話しかけても
揺り起こそうとしても、
再び彼女が起きるコトは無い…。つまりこれが
「今生の別れ」となるわけである。そのことを
LINEでお伝えした妻の大学時代の友人さんは、
激しく抵抗なさった…。「そんな現実、とても受け入れられない!」と。
無理もない、夫の私とて
受け入れがたい現実だからね。だけども現在の
最大の問題は、慢性的に彼女を苦しめている、
お腹やその他身体の痛み、お薬の使用による
吐き気などである。メンタルが落ち込んでいれば、
「もう、生きていてもしょうがない…。」とか
「死んだ方がマシ。」なんて言葉を発して
しまうのである。
妻の主治医の先生が、お話が
あるという。そこで、義父にも同席を頼んだ。
私一人では受け止めきれない現実を
言い渡されるかも知れないからである。
義父は「いいよ…行こう。」と快諾。先生の、
ひと通りの話の後、自宅に戻る義父が、
私の前に立ち、重々しくいった…。
「アンタが一番辛いのは分かるけど、
泣いても喚いても現実は変わらんよ…。」
心の準備を、しておきなさい…。
♪ショパン:ノクターン 第13番 ハ短調Op.48-1
失くした義父の言葉は、鉄よりも重かった…。
※関連記事:義母の十回忌に想うこと
http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-06-22
実は今日、妻がまたもや「最終兵器」の使用を
主治医の先生にお願いしてと、私に訴えてきた…。
「もう、身体がきつくて…。先生に眠る薬使ってって言って。」
「アンタ、何ばいよるとの!それば、使こたら、そこでお別れ
って言うコトばい。」
「もう、耐えられんと。もういいけん…。みんなに迷惑掛ける
けん。……今まで、ありがとう…。ありがとう(涙)。」
ずっと生きたいと言っていた妻が「死」を覚悟した。
私は無意識に、本当に無意識に彼女を抱きしめていた。
止めどなく溢れる涙をもはや止めるコトなど出来なかった…。
「ごめん!本当にごめん!!君にこんなに辛い
思いば、させてしもうてから!」
だけど、話そうにも、先生のいない時間帯である。
担当の看護師さんに何とか妻を説得してもらい、
※関連記事:心の準備 その2
http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-09-14-1
心の準備 その3
http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-09-17
心の準備 その4
http://kiichan2-tabiji.blog.so-net.ne.jp/2016-09-18