心の準備 その4
病院で、妻を看取ったあと、悲しみに打ちひしがれる
一同だけど、みんな感傷に浸っているヒマはない…。
看護師さんが妻の亡骸から身体がんじがらめに
していた管をすべて抜き取り、きれいにふき取って、
彼女を看取ってくれた子供たちも、妻にお化粧を
施した。幼いとはいえ女の子はお化粧をするのは
上手いね~。
一時間弱で到着するとのコト。病院から
「死亡診断書」を頂くが、コレは葬儀社の方に渡す
必要があるとのコトであった。50分程待っていると、
18時前に葬儀社のスタッフが到着。きれいになった
妻の遺体を純白の布で覆ってストレッチャーに移し、
丁重に運び出した。病院スタッフ&患者専用の
エレベーターに乗り、病院の裏口にある出口から
葬儀社のクルマにひっそりと運び込まれた。
主治医の先生の宣告通り、生きて通常の出入り口
から病院を出るコトはなかった妻だった…。
彼女の運び込まれた葬儀場は、幸い(?)自宅から
歩いて数分の場所。そこで葬儀場の奥の部屋に
遺体を移して安置する。入院中の苦痛に歪む
表情は、もののみごとに消えていた。
まるで眠っているように安らかな表情だった …。
我が家の祖母がお世話になっているお寺に
デンワして、来ていただき、枕務めをしていただく。
その後葬儀社との打合せで18日お通夜、
19日お葬式と日程が決まる…。 私の両親と義父、
義姉夫婦とで葬儀社との打合せが終わると、
葬儀社の施設には私と子供たちが残った。
私は妻の亡骸の前で一杯。生前は何かと私の
酒量が多いだとか言われてうっとおしかったが、
彼女の亡き今、もう二度と言われるコトは無い。
適当に飲んで眠りに就く…。翌朝午前中の時間を
利用して、夕方行うお通夜の打ち合わせ。
その後納棺を行う 「納棺師」さんが到着し、妻に
衣装の着替えと、お化粧を施す。「おお~ぅ!」今にも
彼女が起き出して来そうな顔色ではないか!
こんな彼女の顔色を見て、わが家の末っ子、
「かあちゃん、大丈夫?死んでると?」などと
いっている(苦笑)。そんな末っ子に私は言った。
「かあちゃんは生きているよ、末っ子ちゃんの
しばらくのあいだは、まだ、ぽつりぽつりと、
参列される方が訪れていた。昔確執のあった親戚で、
妻が会うのを頑なに拒否していた家族も
参列してくれた。コレについては、妻の生前、
彼女に私は何度も話して説得を試みたが、
遂に承諾を得るコトはかなわなかった…。義父も、
「本人があれほど嫌がっているからやめとけ。」
って、止められるし。私的には彼女には、遺恨を
残して旅立って欲しくなかったのである。 だけど
私のそんな願いは叶うコトはなかったけどね。
通夜が終わって、妻の棺を部屋に戻してもらったあと、
私は傍にお布団も敷き、そこで寝るコトにした。
改めて眠る妻の顔を覗いてみる。
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